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お父さん、お母さん、離婚をするとき私たちがいるのを忘れないでね。 離婚したあとも私たちのお父さん、お母さんでいてね。 だって私たちは、お父さんもお母さんも大好きだもん♪

2024-11

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NPO離婚と子どもを守る会
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両親が離婚しても、子どもは両親から慈しみ育ててもらう権利があるのを忘れないでね、お父さん、お母さん。

NPO離婚後の子どもを守る会では、離婚後も両親が子どもの為にお互いに協力し合って子どもを育てていける社会になることを目指しています。

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ムレィ・ウッドの二人の子どもたちは重病の祖父を見舞うため、二、三週間の滞在の予定で、彼の日本人元妻と伴にカナダから日本へ向けて旅立った。

 

しかし、彼の子どもたちは、未だに戻ってこない。
日本で、母親の手元にいるのだ。

 

そのとき以来、ウッドは日本で親権争いをしている。その中で、彼の元妻の行為は1980年国際間の子の奪取に関する民事面でのハーグ国際条約違反だと主張している。

 

ハーグ国際条約にはもう一方の親の承諾なしに、片方の親により加盟国から連れ去られたり、そのまま保持されている子どもたちは速やかにもとの居住国に返還されねばならないとある。また、親権は元の居住国で解決されることについても規定してある。

 

現在、カナダ、アメリカ、イギリス、中国を含め75カ国が加盟国である。
しかし日本はそうではない。

 

ウッドは2004年の2月、カナダのブリティッシュコロンビアの最高裁判所から子どもたちの単独親権を与えられた。彼は子どもたちが病気の祖父を見舞うために日本に行くことを2004129日までに子どもたちがカナダに帰国する裁判所命令を得た上で、同意をした。

 

しかし彼らが戻ってこなかったときウッドは元妻のアパートを訪ねてみて、そこが空っぽで、しかも電話の契約が切れていることを知ったのだという。

 

昨年の2月、ウッドは埼玉地方裁判所に子どもたちの人身保護命令を求めた。しかし、その数ヵ月後、妻は埼玉家庭裁判所に子の親権を求める訴えを起こしたのだ。

 

地裁、その後、最高裁判所はウッドの訴えを退けた。カナダ最高裁判所のウッドへの親権決定にもかかわらず、家裁、後に東京高等裁判所は子どもたちは彼らの希望に沿って日本にいるのであり、彼らの意思に反して決定はなされないとして、元妻に子どもたちの親権を与えたのだった。

ウッドは最高裁判所に親権決定の無効を求め上訴した。

 

(日本の)家裁は根本的に欠陥があると思います。」彼はこう話す、「裁判所が子どもにとってもっとも望ましいのはひとつの家族であって、(離婚後の)二つの家族という形で、子どもを混乱させるのは良くないと考えています。これは根本的に間違っています。」

 

200512月の初め、東京カナダ大使館で国際間の子の連れ去りとハーグ条約についてのシンポジウムを開催した。そこでは、外交官、法律専門家、ウッドを含む子どもと引き裂かれた外国人親が、彼らの体験とこの問題について話し合った。

 

パネリストの一人、沖縄で活躍するアメリカ人弁護士アネット・マリー・エディーキャラゲインは、日本が子の連れ去りの「天国」になっていると批判した。

 

「子どもが日本に連れ去れると、日本はハーグ条約の批准国でないので、子どもたちを連れ戻すのはほとんど不可能といっていいでしょう。」と彼女は言う。

 

また、「親による連れ去りは愛からの行為ではありません。」と語気を強める。「(世界中で)80%の親による連れ去りは復讐心によるものです。そして子どもが復讐の手先として使われるのです。」

 

カナダ大使館は(2005)現在、21件の子の連れ去り事件を扱っており、イギリス大使館は5件、アメリカ大使館は、20人の子どもたちが日本へ連れ去られたことを確認しているという。

 

一橋大学の国際私法専門家の横山潤教授は日本がハーグ条約を批准することの必要性を強調する。

 

彼はハーグ条約が発効した1980年にはおそらく国際結婚が少なかったので、日本は参加する必要が無かったのかもしれないと見る。

 

厚生労働省のデーターによれば、1980年には日本人と外国人のカップルは7,261件のみだったのが、2004年には、五倍以上の39,511件に増えている。

 

横山は日本がハーグ条約に参加するのは「特に、日本に住む人にとって重要なのです。というのも、実際かなり多くの子どもたちがー日本に連れ去られるより多くの子どもたちがー日本からよその国へ連れ去られているからです。しかしながら、子どもが他の国に連れ去られた場合、その国で解決される問題となるので、上記のケースはほとんど表沙汰にはなりません。」と彼は主張する。

 

「実際のところ、ハーグ条約を批准しないということは日本の住民が多くの不利益を被ることになるのです。」と横山は述べる。

 

日本は「子どもは親の意思に反して、親から引き離されてはならない」という規定のある国連子どもの権利条約の署名国である。

 

国連の条約は一般的な子どもの権利についてのものであるが、ハーグ条約は加盟国の政府が準拠することを義務付ける権限を持つと横山は説明する。

 

「ハーグ条約なしでは国際間の子の連れ去りは無法分野となります。」横山は続ける、「それでは子どもを連れ去った者の勝ちとなってしまいます。」

 

彼はまた、国際間の連れ去りの事件では迅速性が鍵だと指摘する。裁判所の手続きが長引けば、ウッドのケースのように子どもたちが新しい国に愛着を感じてしまうのだ、と説明する。

 

横山は「子どもたちは、もう一方の親と(彼らの元話していた言葉で、)コミュニケーションをとることが出来なくなるでしょう。」と分析する。「それゆえ、裁判所が子どもの福祉について判断するときに、コミュニケーションも取れないような親に子どもを引き渡すことはしないでしょう。」

 

言い換えると、子を連れ去った者が、裁判所手続きを長引かせれば、するほど、子どもの親権を得やすくなるのだ、と横山は言う。

 

この一年で、ウッドは子どもたちにたった一度しか会えていない―5月に行われた埼玉裁判所での15分の聞き取りのときのみである。しかし、混乱して、息子は彼に会うことを拒否し、娘はほんのちょっとだけ現れ、ひどく困惑し、不安そうだったという。

 

「最悪でした。」ウッドはつぶやく。「子どもたちは私の人生そのものです…私は親子関係を取り戻したいのです。」




The Japan Times

2005年12月31日記事より抜粋、翻訳
Ito Masami記者

著作権 ジャパンタイムズ

 

翻訳 離婚後の子どもを守る会 テムラク歩美

 

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